英文構造図+再措定的学習による
階層的作文力養成法

ここでは杉山一志『杉山式 究極の音読プログラム[初級コース]』(国際語学社)、チャプター1の例文を利用します。それは
We must repair the damage which we have already done by preserving large areas of wilderness and giving the animals and birds that live there the right to exist.
というものですが、「初級コース」の最初の課題にしてはなかなか骨があり、ここでの素材に適していると思われるからです。これを構造図で表すと次のようになります。

We
must repair(@)
the damage
which
we
have already done(A)
t
by
preserving(B)
large areas
of wilderness
and
giving(C)
the animals and birds
that
t
live(D)
there
the right
to exist.

原文中には6つの動詞がありますが、最後の exist 以外に@〜Dの番号を付けておきました。

私の考えでは、
動詞のそれぞれについて、
(1)それを述語動詞とするような文(「要素文」と呼ぶ)を想定し
(2)その要素文を「原文全体の中で使われるかたち」に作りかえる
という作業を行ったうえで、さらにそれらを組み立てて元の文に辿り着く
というプロセスを踏むことで、階層構造を持った作文力を構築することができます。

もう少し詳しく説明してみます。ここでも英文構造図が威力を発揮します。

まず、@による要素文は下図左側のようになります。それに2つの修飾要素(中身はここでは書いていません)を追加して、右側のように変えます(そのように訓練します)。
We
must repair
the damage.
We
must repair
the damage
●●●
by●●.

次にAによる要素文ですが、左のようなものをまず考え、その目的語を先行詞として前に出し、その後ろに関係詞節をぶらさげたかたちにします。
We
have already done
the damage.
the damage
which
we
have already done
t

Bによる要素文は、主語を削除して動名詞句にします。
We
preserve
large areas
of wilderness
preserving
large areas
of wilderness

Cによる要素文はBと同様ですが、間接目的語には修飾要素を付ける準備をしておきます。
We
give
the animals and birds
the right
to exist.
giving
the animals and birds
●●
the right
to exist

Dによる要素文では、その主語を先行詞として前に出し、その後ろに関係詞節をぶらさげたかたちにします。「先行詞+関係詞節」を作るという意味ではAと同じです。
The animals and birds
live
there.
the animals and birds
that
t
live
there

このように要素別に扱う訓練をして、慣れてきたら順に統合して原文を再現できるようにしていきます。

スピードの前に正確さが必要なので、最初はテキストを見ながらでかまいません。しかし、何度かやった後は、ソラで文頭から語順通りにスラスラと行えるようにしていきます。

ここまでいけばリプロダクションの完成です。もちろん、実際に使いこなせるようになるにはさらに経験を積む必要があります。

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